2016年

2016-02 フォーラム食の寺子屋2016「スーパー和食の魅力」


今年の"フォーラム"のテーマは「スーパー和食」!和食が体にいいとは聞くものの、そもそもどんな和食がいいのか?和食なら何でもいいのか?昔の和食と今の和食って違うんじゃないの?

知っていそうで知らない和食のことを、詳しく教えて下さったのは、東北大学大学院農学研究科の都築毅先生。「スーパー和食」とは、先生が研究を経て名づけられた、1975年頃日本の家庭で食べられていた食事(献立)のことなのです。

それを実際に食べるとどんな内容になるのか。みんなの食堂 みのわさんによる「特製・スーパー和食弁当」も付いて、盛りだくさんの内容でした。会場のキャパシティをはるかに超えるお申込みを頂き、事務局として申し訳ない部分もありましたが、内容をご紹介して参りましょう。


※内容の紹介文は「東北村ブログ(http://www.tohokumura.com/blog/)」様から文章使用の許可を頂き、一部内容を加筆・修正の上で掲載しております。あまりに見事な紹介文の使用を快諾頂いた東北村様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

2016-02-03


和食が注目されるその理由とは

2015年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」が、健康長寿という観点から注目されたのは、1970年代にアメリカのマクガバン上院議員が中心となってまとめた「マクガバン・レポート」がきっかけだそうです。

このレポートでは大量の『脂肪』・『砂糖』・『食塩』が【心臓病】・【がん】・【脳卒中】など命を奪う病気に大きくかかわっているということが報告されていて、その流れから、日本国内でも個々の食材や成分だけではない「日本の食事まるごと」の健康有益性について研究が進んでいったとのこと。

はじめに都築先生より説明していただいたのが
「欧米食」と「日本食」の食事内容によるラットによる調査の結果。

現代の日本とアメリカの食事21日間の献立を再現→凍結→粉砕したものを食事として与え、遺伝子への影響を調べたそうです。その結果内容は、日本食を食べていたラットが、アメリカの食事を食べていたラットと比べてストレスに反応する遺伝子が少なく、エネルギー消費を促し、肥満を抑制することを示したというもの。
ここでいうストレスは心のストレスではなく、消化器等の内臓等に関係する体へのストレス。好きなものを食べて飲んで大騒ぎをして大満足な次の日の不調を思い出すとわかりやすいかと思います。「体にかかるストレス」は普段そこまで考えることがないため、なるほどーと納得です。

日本食がなんだか健康によいぞということは分かった。
次なる疑問、どのような食卓が最も理想的なんだろう。
どの時代の日本食が健康維持に有益なのかを知るために、年代ごとの食事献立を再現して行った調査の結果。ここで「1975年」という年代が登場するのです。

2016-02-01


1975年の献立や食習慣からみる「スーパー和食」のポイント

当時の献立や食習慣からポイント

・少しずついろんなものを食べる
・時には洋食が入っていたりと和食一辺倒ではない
・豆類を多くとる。
・1日1から2個の卵
・海藻類をとる
・煮る調理が多い
・1日2杯のお味噌汁
・食後に果物を
・お魚は毎日、お肉は一日おき
・みんなでおしゃべりをしながらワイワイ食べる

確かにこの40年で食卓の様子や環境もだいぶ変わったはずです。
そして、テレビで○○は肥満にいいとか、認知機能にどうだとか放送されるとその食材が瞬く間に市場から消え去るという現象がよくみられます。 ですが、健康寿命は成分1つだけでの効果というものではなく食事の内容が大きくかかわってくるだろうとも話されていました。

これも言われればその通りではあるのですが、どうしても踊らされてしまいがちなのが気を付けたいところ。近年では、インターネット上でソース不明の怪情報も氾濫しているので、なおさらですね。

また、お話しの中で私が印象的だったのは、都築先生が食材についてだけではなく現代の子どもの孤食など、食事をする環境の大事さについてもとても時間をかけて説明してくださったことです。 先生自ら実践しておられるのは、説得力も違いますね!「撮影用に綺麗に盛り付けたのですが…」と少し照れながら、ある日のおうちでの食事を見せて下さった先生、ありがとうございます。


2016-02-02


そんなポイントを詰め込んだみのわさんのお弁当

【お弁当のメニュー】 ごはん、鮭の麹照り焼き(菜の花そえ)、チキンカツ、キャベツと紅芯大根サラダ、切り干し大根人参、干し椎茸すき昆布の煮物、五目大豆(大豆、人参、こんにゃく、ごぼう、昆布)、卵焼き、春菊と白菜のおひたし、たくあん、りんご

種類も量も豊富で、男性も納得のボリュームでした。少食の方は一部ドギーバッグ、という方もいらっしゃいましたが、おうちで料理する際は当然量は調節できますので問題なし。食べた後もモタモタもやもや感がなく、ストレスのない食事ってこういうものかと体で実感。安心感のある、ほっとできるお弁当でした。

非常にレベルの高い質問が飛び交ったディスカッションも、まだまだ継続しそうな勢いを残しつつのあっという間の3時間でした。
お弁当をいただけたことで、言葉や文字だけではないスーパー和食を味わえ、これからの生活への取り入れ方をイメージできたことは大収穫でした。

スーパー和食についてもっともっと知りたいという方はぜひ都築先生が書かれた本のご購入を強くおすすめいたします!


2016-02-04

「昭和50年の食事でその腹は引っ込む」
~なぜ1975年に日本人が家で食べていたものが理想なのか~
(講談社+α新書)